そこに“巨木の谷”がある、と聞いて出かけました。見渡すかぎりの原っぱに牛がのんびりと草を食んでいます。一体こんな所に巨木があるのだろうか?といぶかりながら地図に従って谷へ下って行きます。30分も歩くとあたりの光景は一変します。ブナやケヤキなどの大径木が次々と姿を現し深い原生林の様相を呈してきます。途中で「白亜の湧水」とよばれる名水でのどを潤します。あまりにも旨い水なのでもってきたお茶と入替えます。さらに20分ほど進むとトチの巨木が行く手に現れてきました。「森の巨人たち100選」にも選ばれた大トチで幹周が6.3m、樹齢は600年といわれています。樹勢は極めて旺盛で『俺がこの森の王様だ!』と言わんばかりに大手を広げていました。30mの高さに巨大な樹冠を作り、他の巨木と競うように大空を緑で被っています。鳥も実に豊富でこの森は不思議な生命力に満ちていました。
Googleマップ 愛媛県上浮穴郡久万高原町西谷
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(次)「西土佐」郷土の森森
神々の住む森 高知県西土佐村は四万十川中流域の村で自然がよく残された所です。ここの山中の藤ノ川という集落にヒノキの原生林がある、というので出かけました。松山から4時間。でこぼこの林道の途中にこんもりと ...
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(前)折合の大ヒノキ
神々の住む森 高知の山奥に幹周9.9mの『日本一の大ヒノキ』があるとかねてより聞いたいました。ところが近年、この巨木、衰弱が激しく、いつ枯死するか分からない、というものです。何とか生きているうちに、と ...
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