江戸時代の初期、石見銀山奉行が三瓶山の麓に道標として松を2本植えました。これが「定めの松」とよばれるものです。“定め”とは“道を定める”という意味だそうで一里塚の意味をもっています。松は近年 マツクイムシと酸性雨のため甚大な被害を被っています。戦後五十余年間で松の巨木の凡そ80%が枯死したというデーターもあります。“松竹梅”と言われ、我々に最も親しい樹木の松は、そのうち日本から姿を消してしまうかもしれません。そういう中でこの“定めの松”は幹周5.2m、高23mと堂々たる姿で街道にそびえ健在なのは嬉しい限りです。400年もの間、旅人の道案内をしてくれた 2本の松は今日も広大な三瓶高原で“定め”の役を担っています。
Googleマップ 島根県太田市三瓶町
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(次)大朝のテングシデ
古木を訪ねて 良には奇妙な木があるものです。巨木ではないが“珍木”とも言うべきものです。大朝の“天狗シデ”は、まさに その代表格でしょう。幹周3m、高12mと小粒ながら その屈曲きわまりない異様な姿は ...
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(前)山ノ神の大杉
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