良には奇妙な木があるものです。巨木ではないが“珍木”とも言うべきものです。大朝の“天狗シデ”は、まさに その代表格でしょう。幹周3m、高12mと小粒ながら その屈曲きわまりない異様な姿は 見る者の度肝を抜くに十分です。“天狗”とは まことに言い得て妙、雨にけむる中で見える姿は乱舞する鬼か、と背筋が寒くなる思いでした。なぜ このようなシデが誕生したか、は謎とされています。突然変異とする説が有力ですが、通常は一代限りで その特性は終わり 元にもどるそうです。ところが このシデは代々 その異様な姿を受継ぎ森を形成したのです。大自然はまことに不思議なもので 人知の及ぶところではありません。
Googleマップ 広島県山県郡北広島町田原灰谷
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(前)定めの松
古木を訪ねて 江戸時代の初期、石見銀山奉行が三瓶山の麓に道標として松を2本植えました。これが「定めの松」とよばれるものです。“定め”とは“道を定める”という意味だそうで一里塚の意味をもっています。松は ...
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