鳥取県の大山は崩壊しつつある山です。脆い岩盤は大量の土砂を流出させ砂防ダムを次々と作ってもすぐに乗り越えられる有様です。さらに平成12年の『鳥取西部大地震』により崩壊は いっそう進み登山道は、ズタズタに寸断されたそうです。ここ宝珠尾根“通行禁止”と表示がありました。スキー場から登り始めて約2時間 ブナ原生林が途切れた所で崩落個所に行きあたりました。おまけに残雪がその上を覆っています。誰も通った跡がありません。落ちれば数百メートルの急斜面ですから ひとたまりもないでしょう。直ちに引き返すことにしました。遠くで落石の音が聞こえます。しばらく下りていると登ってくる人に出会いました。今日始めて出会った人で白髪の老人でした。状況を説明すると「はあ、そうですか。まあ登れんこともないんですが…」と言う。彼は地元の登山家で冬も含めて、しょっ中来ているという。しばらく歓談した後、「この尾根は静かでいいでしょう。じゃ ぼちぼち行きますので」つ言ってスタスタと登ってゆきました。“たいした人もいるもんだ”と半ば唖然として後姿を見送ったことでした。
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(次)大山 文殊峠
新緑の山旅 今年は雪が多かったそうで、大山の沢筋には多くの残雪があります。ここ鍵掛峠から鳥越峠にかけても1mを越す雪がびっしりと谷を埋め、登山道を隠していました。標識の赤テープを目で追いながらゆっくり ...
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(前)大休峠
新緑の山旅 四国路は“お遍路さん”の季節を迎えて白装束の巡礼であふれています。特に“歩き遍路”の数は年々増えてゆくようです。歩くことの楽しさを楽しさを体験する上で恰好の場所なのでしょう。同じように“山 ...
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