月山は山形県のほぼ中央部に位置し、古くから“出羽三山”のひとつとして信仰されてきました。昔から全国屈指の豪雪地帯として知られ西側斜面では実に10メートルの積雪があるということですから、我々南国の人間には想像もつきません。その凄まじさはブナの形態に見ることが出来ます。通常、ブナは、ある程度屈曲しながら太陽の光を求めて上へ、上へと伸びてゆくものですが、ここ月山の西側斜面のブナは横に這いまわっているのです。雪圧に抗して必死で生きようとする、これらのブナを地元では“のたうちまわるブナ”と呼んでいます。ここを過ぎると、やがて登山道は台地の上にでます。ブナの一斉林がまわりを囲み、まことに静かな空間です。盛夏とは思えない涼しさの中で、そこに座っていると時間の経過を忘れてしまうような“至福の静寂”を感じます。
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山形県鶴岡市・東田川郡庄内町
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(次)鶴間池
神々の住む森 もし山好きの人が“楽園”をイメージするのなら、その内容は、この鳥海の森のようなものになろうかと思われます。太古から続くブナの原生林に囲まれた静かな池。そこには手の切れるように冷たい清水が ...
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(前)温身平
神々の住む森 「何という見事なブナだろう!」ここは新潟、山形の県境にそびえる飯豊連峰、その山形側の登山路の横に隆々として天をさす大ブナ。幾本もの深いヒダを刻む主幹にはツタやカズラがまきついて堂々たる風 ...
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