大山 文殊峠

新緑の山旅

今年は雪が多かったそうで、大山の沢筋には多くの残雪があります。ここ鍵掛峠から鳥越峠にかけても1mを越す雪がびっしりと谷を埋め、登山道を隠していました。標識の赤テープを目で追いながらゆっくり登っていると一人の中高年男性と出会いました。白いヒゲをぼうぼうと伸ばした仙人のような風貌をした老人です。一緒に登るのですが、その足の速いこと。ふうふう言いながらついてゆきます。『文殊峠』のピークは深い雪とヤブにおおわれ、それ以上は進めません。『これからどうしますかね』『これを登りつめて尾根伝いに鳥越峠に出ませんか』『雪崩は大丈夫ですかね』『雪が締まっているし谷も広いから心配ないでしょう』などと言いながら雪溪を登ってゆきます。だんだん傾斜が急になり、スべったり尻もちをついたり、で大汗をかきます。『これ以上はアイゼンがないと無理やね』『じゃあ下ってから峠に行こう』と言う訳でズボンを雪まみれにしながら“尻スキー”で一気に下ります。この元気な老人は岡山から来ており、今日は4日目だという。65才だそうで『毎週どこかの山に行っているよ。四国の山が多いね』『いつも一人ですか?』『うん、気楽でいいからね、妻も子もいないので山だけが楽しみやね』こうして還暦を過ぎた2人の“お年寄”がワイワイガヤガヤと山歩きを楽しんだのです。

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(次)鳥越峠

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(前)宝珠尾根

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