桃原の牡丹杉

古木を訪ねて

大歩危峡谷で有名な祖谷川の中程の深い山中に「桃原」という小さな集落があります。全戸数は40戸ほどで全て「村上」ついう姓を名乗っています。部落の最奥に神社があり、幹周10mを越す巨杉がそびえています。名は「牡丹杉」、伝承によれば今から1200年前、京の座女17人が捕らえられ土佐に流されることになった。その内の何人かがこの郷にたどりつき、熊野権現の信仰に出会い、神仏混交の教えを広めていった。そして彼女達が都を偲んで植えたのがこの牡丹杉だというのです。この話は実に興味深いものを含んでいます。事実はどうであったか。おそらく彼女達は略奪され、強引に結婚させられ、この地に幽閉、二度と出られなかったものと思われます。40戸の「村上さん」は彼女達の末柄かもしれません。豊かな緑の樹冠を頂いた牡丹杉は、あたかも長い黒髪をなびかせた女人のように艶やかに立っていました。

Googleマップ 高知県長岡郡大豊町桃原

 

(次)若一王子宮の巨杉群

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(前)用居川内八所神社の大杉

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